その他短編、二次創作等

短編、読み切り物

  • 創世語(そうせいのかたり)

     街の酒場は、昼と夕の狭間という中途半端な時刻にも関わらず混雑していた。 大半は休憩中の船乗りや職人達で、真っ昼間から豪快に酒をあおっている者も多い。それに混ざって旅人らしき姿がちらほら、といったところだろう。混雑した酒場では、それらの者が…

  • 祭の夜に

    ※1996年に発表した作品を大幅に加筆修正したものです。  控え室を出たあたしの目の前に、一輪の小さな野花が差し出された。「え…あたし…に?」 驚いて尋ねると、野花の差し出し主は黙ったままこくりと頷いた。 あたしと同じくらいの年頃…

  • 幻影の少女

     夢を見る。 今はない故郷の夢。 溢れる緑。流れるせせらぎ。 穏やかに流れる刻。 そして。 眩しいほどに、赤い少女。 あの頃は、それが永遠に続くと思っていた。 平穏で。何も変わらず。 あの頃は、それが嫌だった。 外の世界を。夢見続けていた。…

二次創作物

  • 銀月闇光(銀の月、闇を照らす)

    ※FINAL FANTASY11のイメージテキストです。  光あるところにまた、闇があるように この世界に、裏の世界が存在するのを知ったのはいつの事だっただろうか 闇霧に包まれたその世界に何度挑み、幾度破れただろうか 闘いが始まっ…

  • 月のしるべ

    ※深淵第2版のイメージテキストです。  貴女は、全てを持っていた。 地位も。お金も。美貌も。 賢くて。高潔で。芯が強くて。 貴女は、完璧な人間だった。 私には、何もなかった。 そこに存在したのは。 過酷で。理不尽で。屈辱的な運命。…

  • 虐げられた戦士とお嬢さまの手

    ※真ウィザードリィTRPGのイメージノベルです。  いつだって、虐げられていた。 自分を取り巻く影は、目だけがぎらぎらしていて。 意識は朦朧としていたはずなのに、鮮明に覚えている。 かけられる、心無い言葉。 土の味と、微かに混ざる…