小説

ライブアライブ感想戦

リメイクから入った初見勢の勢いだけのレポートです。発売前にプレゼンしてくれた友人にお渡しするために作ったものなのでPDFです。小冊子印刷すると何とA5、8ページの本になります。あと、がっつりネタバレあるのでご了承ください。20220902L…

 翌朝。 夢幻の姿は大陸警備機構本部に併設された病院にあった。隣には制服姿のエアが付き従っている。「何か、ダシに使ったみたいで悪いな」 夢幻は病院の廊下を歩きながら呟くように言った。 あの後、エアの先導によってやってきた救急隊によってロキシ…

 エアの先輩に当たる受付嬢に一方的に後のことを任せて、三人は大陸警備機構本部を出た。 追跡の魔法を使用するウリルの先導で街を走り、たどり着いた場所は閑静な住宅街の一角。 地下水路はセントラルシティの地下隅々まで張り巡らされており、入口も街の…

 事務部は、一階中央。つまり、吹き抜けの丁度中央部分から奥側に位置している。 吹き抜け沿いの階段を下りる夢幻は、その中央部分に当たる総合案内受付に見知った姿を発見した。 バンダナでまとめられた亜麻色の髪。革のベストに膝丈のスカート。すらりと…

 窓から差し込む朝日に、男は目を開いた。 視界に飛び込んでくる景色は、所々がすすけた木の天井。無造作に荷物が置かれた文机。カーテンのかかっていない窓。 閉業して久しく使われていなかった宿屋を修繕したらしいこの寮室は狭くて簡素であり、普通に生…

そして春がやってくる

※the woRks original 41 パンフレット寄稿。 表紙と中表紙を担当した友人のさちねちゃんとリヒトさん夫妻のキャラクターをイメージした一次創作の二次創作です。 公開に快諾いただいたお二人に感謝。 「はあ……はあっ……

scene8 みらいへの約束

「失礼します」 放課後。 魔法の個人授業のために教室を訪れたわたしを待っていたのは、担任教師だけではなかった。「学園長!それに……」 学園長のうしろに立つ黒い姿に、わたしは言葉を詰まらせた。「ひさしぶりだね。リマ」 イデアル・リベリオー。わ…

scene7 わかりあえる想い

「リマ・メルカートル、やっと見つけましたわ」 寮を出たところで、そんな声が響き、わたしはびくりと振り返った。 金髪巻き毛の少女、アンジュ・ノーヴィリスが、寮の戸口に仁王立ちしていた。「きょ、今日は、アナタにお話があってまいりましたの。少し、…

scene6 夢はまぼろしなんかじゃなくて

 熱くて。息苦しい。 暗闇の中で、わたしはただあえぐように呼吸をすることで精一杯で。 こんなこと。初めてのこと。ではない。 そう。覚えている。まだわたしが小さかったころ。 体の弱かったわたしは、しょっちゅう原因不明の高熱を出していて。「おか…

scene5 いつかはばたくその翼

 わたしは、走っていた。 広いろうかを。階段を。 追い立てられて、走っていた。 どこまで続くのかわからない。長い、ながい階段をかけあがる。 いくらこの建物の構造を完全に理解していないわたしにだって、わかる。 わたしは、完全に追いつめられてい…

scene4 ただしいまほうの使い方

 魔法とは、この世界に存在する唯一の、実用に耐えうるエネルギー源である。 その強大な力により文明は発達し、人々の暮らしは豊かになった。 魔法を使うことができるのはひとにぎりの存在。 生まれつき、魔力をその身に宿す選ばれた者のみである。 故に…

scene3 わたしのしらない世界

 ならべられた机と椅子。一段たかくなった教壇。ふかみどり色の、黒板。 天井はたかく、窓からさしこむ陽の光に、純白の床がきらきらときらめく。 多少、内装が豪華なことをのぞけば、わたしが今まで行っていた学校の教室と変わらない。 机の上にならべた…